忍者ブログ

hetare

夢幻領域にて活動しているPC・PLサイト

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2/18 螺旋図書館

今日、ふと今なら鼬の格好になれる事に気がついて、急いで手紙をしたためた。
何故かと言われれば、そういう約束をしていたのだ。ちょっとした遊び心をとりいれ、鼬の格好になり、意気揚々とスタンプ(手形)を紙につけていたら――滑った。紙が卓上をずって滑ると、俺の足も上体もみるみるうちに伸びて腹ばいで転けることになってしまった。恥ずかしい。

そして、よりにもよってその恥ずかしい瞬間を宛名のハウルに見られてしまったよ。鼬だからまだいいんだけどね。ヒトガタで流石に腹から転ぶことはないだろうから…まぁ、鼬だからこそ。顔面からはあったとしても、そこはね。
さて、それはいいとして「なんだこれ」と首根っこから摘まれたり、腹をふにふにと揉まれたり、もみくちゃにされてみたり、俺はハウルの鼻先に先ほどのインクをうっかりつけてしまったり……なかなか愉快な一時。結局、手紙は未完成のまま彼の手に渡って……………ハウルは何か思うところがあるようだ。俺にも、あるのだが。

彼は、言葉も時間も足りないという。

言葉なんて、と俺は時折口にしたけど、やはり重要なんだろう。
時間なんて、時間が必要と最初にいったのは俺だ。

どれだけの言葉と時間が必要?
別れ際、本当は彼一人で帰らせた方がよかったんだろうな。
でも、俺は見送らなかった。そう思っていながら別のことを言った。
なんと気が利かない男だこと! 俺はごもっともですと頭を下げるしかあるまい。
PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする

Copyright © hetare : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]