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12/7 水鐘の都にて

冬が来た。冬の間、俺は何故だか知らないが建物の中に居たくなくなる。
おそらく、今年もまた雪で埋もれる場所へと足を運ぶのだろう。
手始めに、その日はベンチに座って凍えそうなほど冷たい夜風にあたっていた。
まぁ、大概暇な奴だよ。俺という男は。

しかし、寒いだとか、冬なんだとか、そんな事も吹き飛ばすような事が起こった。
地獄の番犬…と名高き、ケルベロス殿。しかし、その様子は一変していた。
ベンチの下に出来た影に紛れる様は、さながら野良犬だった。
話しかければ負け犬の如くしょぼくれている。どうしたんだ? 
自信に満ち溢れ、格を翳し、悪魔を語る事が出来た貴方はどこへいったのだろうか。

そして、「俺」も何処へいったのだろうか?
ひと曰く、俺の目玉商品“優しさ”はどこへ?
大不況に煽られ、質屋に出してしまったのだったけ? 忘れてしまった。
彼の「自信」も一緒に質屋に流れたのかな。



(突如思いついたように書き足された文章は、インクの色が異なった。)



明日、買うもの、新しいインク。
先ほどの日記を書き終えるという大業に助力を惜しまずに尽くしてくれた彼(インク瓶)の命は、終戦と共に燃え尽き…いや、消し消え…掠れ消え、消し飛ぶ。うん?

まぁ、いっか。
インクの寿命が尽きた事で言葉遊びに悩んだくらい、全くもってどうでもいい話だが、俺の歪みとも捻れとも言える部分が生じたのはいつだったか思い出した。
最近、これが猛威を振るい、多方面(といっても正しくは2,3人で…いや、そのうちは一匹。)に影響を来している。困った話だ。しかし、こうやって暇さえあれば「言葉遊び」を探すあたり、俺は今と昔を混同しているのか? しっかりしてくれ。






祖父が死んでからだ。
祖父という「盾」を失った俺は、自分を守るために殻なり仮面が必要だった。
俺は「俺」のまま生きるには打たれ弱く、あっというまに身を守る盾を作り上げた。

自前のそれはひどく歪んでいたのだが、気づくのが些か遅すぎて。
今や、仮面や殻には「ベネディクト」という肉がついてしまい、もう離れない。
無理に引きはがそうとすると痛いんだ。

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