hetare 12/4 旧市街の廃屋

[PR]

2025-09-11

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

edit

12/4 旧市街の廃屋

（久方ぶりに、紙の上にインクで書かれた文字―……）

久しぶりにこの日記を開く。愛用の万年筆の感触が久しい。
長らく“俺”がこの家を空けている間、ソーンの世話を見てくれたヒトがいたらしく
やせこける事なく、家を空ける前と変わらず健在であった。よかった…しかし、ごめんな。

そして、ひとえにそんな事を思えるのも…今回、尽力を尽くしてくれた2名のおかげに他ならない。動転していた俺は、ありがとう、を少し言い損ねた。今度あったら、改めて言い直そう。絶対に。

で。

戻ってそうそう無力感に打ちのめされる。まいった。この感覚は…そうだな、出産に立ち会う父親（夫）の精神状態に一番近い気がする。世の父に向かって、この感覚を口にしたとして同意してくれるかは怪しいが。

その日は、心配だったのもありリュシュの家で夜を過ごした。喉を痛めたようだ…
せっかく治ったっていうのに悪いことをした、が、言うと怒りそうなのでやめておこう。
ハウルに対して、お礼や挨拶よりも馬鹿の方が一回多かった。ここは、どういえばよかったんだ？　ああ…寒さでかじかむのは手先だけにしてほしい。

明日から、また俺の日常が始まる。
さようなら、俺の祖父の居た日々。ただいま、俺の猫の居る日々。

≪ 12/7　水鐘の都にて |

HOME

| ある悪魔の記憶 ≫