ああ、色が変わってゆくよ。
体の色が青みがかっているようで黄色く見えるのは何故だろう。
白くなどないね、青くもないね。
ああ、冷たい。とても冷たい。氷のようとも違うのだ、あの冷たさは。
形容しがたい冷たさだった。何にも例えられぬ冷たさだった。
ああ、呼吸がひどく大きくなってゆく。
息をしているというより、痙攣しているといった方がしっくりくるほど体が大きく動いた。
普段は聞こえない息の音がよく聞こえる。
回数が減るぶん、一度にたくさんの息を吸っているのだろう。
目は何も見てはいない。虚ろだ。
いや、見ている。それを写しているから、あの目は濁り、虚ろになったのだ。
死を。
あの子は死を見ている。
(記憶の一部より)
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