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5/24  深淵の古城

何故俺があのような姿で、あの場に落ちたかという事は割愛する。

とにかく、よかった。あそこで受け止めて貰わなかったら、俺は今頃……リュシュの家に駆け込み、打撲と打ち身の治療を頼んでいたに違いない。
最悪、湿布の匂いをさせながらうろつく羽目になっていたのやも。

さて、そうならなかったのも1人の娘さんのおかげ。
俺が今まで見てきた人間の集団とはまた少し違う匂いがするお嬢さん。
彼女にとって、俺は空の国から来た妖精さん(イタチ)らしい。
イタチの姿でも空が飛べたなら、もっとそれらしいのに。惜しい、俺は飛べない。

飛べやしないが、願いを叶える真似事をした。
あのまやかしのような魔法が、少しでも彼女の追い風になるのならそれに越したことはないね。天真爛漫といった言葉がとてもよく似合う。
負けん気も強そうな――…願いもまた第一印象相応のものだった。
あの瞳は、まっすぐに誰かの背を見ている。
遠い風景を見ている。



彼女の背中に目はあるだろうか。


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