出会った月と同じ月に、同じ場所で他愛のない話をした。
馬鹿に狡いという言葉と暴力( といってもそんなヒドイものじゃない。一撃目は確かに痛かったが。)、あとはまたイタチになれるようになったら彼の前でイタチになる。
その条件で、比較的に穏やかに?事は済んだ。
記憶に鮮やかなのは、秋の紅葉のようなあの真っ赤な顔。
(何か書かれていたが、何十にも線が引かれ無理矢理消してある…)
これに関しては先日と同じく、書き記すのは難しいため早々に諦めるとする。
そういえば、あまりに顔が朱いものだから
風邪でも引いたの? と聞いてみたら、風邪なワケあるか、と返された。
だよなぁ、知っています。
(長い空白を空け、日記は続いていた。慎重に書き記されたそれは、最初の一文だけ筆圧が濃く筆跡は乱れて)

最後に見たあの顔が、今も眼に焼き付いている。
拒絶し撥ね付け、時に害意すら抱いた。
別に憎悪があったわけじゃない。だが、彼だった。彼だけだった。
その対象は、彼だけに引き絞られていた。何故?
わからない。逆に俺が聞きたいぐらいだ。
だからこそ、俺を疑ってもそれでも…信じると言ってくれた時
居たたまれない?苦しい?辛い?嬉しい?怖い?
…どれだ? わからない。いつから俺はこんなに物分かりが悪くなったんだ?
半分も疑わないだと、何故? 思わずにはいられないじゃないか。
気がついたら――………
(不自然形で、文は終わっている。)
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