どんよりと重厚に広がった雲は、今にも落ちてきそう
地を覆う木も草も、あらゆるものがたっぷりと闇をすって色あせた
流れる水は、あまりの黒さに水底の深さなんて分からない
少女が小さな声で呟いて
空に浮かぶ
太陽は、真っ黒な炎を吹き上げてセカイを暗澹と照らし
月は、纏う銀色を光らせてセカイの全てを暴く
青年が言葉を吐き捨てて
住まう者は、全て罪を背負って生まれ落ちた
罪を愛し、罪を為し、罪を囁け、さすれば黒い場所へと堕ちてゆく
この身が断罪される時まで 我らが声も命も息絶えることはない
老人が台詞を搾り出す
ベネの故郷は、フォルヴォレストという世界でした。
暗色がひしめくセカイは、太陽はまぶしいものではなく、月はやさしいものではない。
彼らは不死ではないが、寿命はない。
誰かが、天使か、人間の英雄共か、正義か、同族か、はたまた異種か
彼らを殺すまで 世界を跋扈し 世界を蹂躙す
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