hetare 7/30 螺旋図書館

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2025-09-10

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7/30 螺旋図書館

月か、月に行こうだなんて言い出すヒトは初めて見た。
月に何があるというんだろう。
蟹か兎か、あるいは老婆や美女に会いに行くだとか、そういうものではなさそうだったが。
行けると良い。きっと、こいつもそう望んでいるに違いない。

こいつ、と言えば…あれから「手」を大層気に入ったらしく、糸くずのような手が生えっぱなしだ。鳥を始めソーンが通りかかると、一生懸命振ってみている。
窓の外にいる鳥はまだしも、ソーンに対してまでやるとは……命知らずな。
今頃、そこら辺で目を回してるんだろうな。

さて、ついでに飲み込んでしまった――あの美しい金針が入った水晶玉についても記そう。どうなっているのかと、ためしに切れ目を入れてみたら、まんま消化されずに入っていた。なんだかブドウの実のようだ。本体を剥いだら綺麗にとれるに違いない。

しかし、どうりで跳ねられなくなったのか。身体が重いらしい。

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