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1/29 水鐘の都 -海辺-

いつも通り夕食の買い物をして、いつも通り海沿いの通路を歩いて、帰る予定だった。
けれど、今日はちょっとした変化がひとつあった事を此処に記そう。これから先も、エプロン姿にオタマを片手に海辺で座っている青年なんてそう見ないだろうからね。衝撃的だった。けど、助かった。あの格好じゃなかったら俺は素通りしてたかも。(普通に夕日を眺めていると思い、勿論邪魔をしないために。)

今日を境にとても見てみたいものが出来た。
上向きの三日月…その真上に光る星の姿を。青い月も見てみたい。
彼が語った両親に纏わる月と、彼が描いたという一枚の絵に浮かぶ月。
どちらもとても綺麗だろうね。そして、嬉しくなるに違いない。
彼のいう、ふいに見つけた「幸せ」のように。

いつか、数字の伴わない約束。もしも、過程だけで作られる約束。
ケーキを一緒に作ろう、イチゴの乗ったショートケーキを。
君が好きといったカサブランカを咲かす、君が見に来たら其処に在るように。
けれど、俺は一度目のハウルとも、二度目のサイカとも、幸運にもそういった“約束”が現実になっているものだから――ソウジュとの約束も、と思ってしまうのはやはりご都合すぎるだろうか。

さてはて無事に元の世界に帰った彼が落としていったオタマは、とりあえず机の上に今はある。どうしよう、ペン立てに立てておく?はたまた引き出しの中に? 人のものだからな、保管方法に悩む。しかし、シジミは大丈夫だったかなぁ、彼の部屋が火事になっていない事を祈りながら――今日は筆を置く。
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