hetare ■DIARY

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2025-09-10

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3/12 螺旋図書館

何となくウロウロしていたら、どこからか本が落ちてきた。
それと同じタイミングで受け止めろ、という声もかかったんだが……
頭上で受け止めた（ようは失敗した。）ものだから相当痛かった。
どうやら、読書中の絵本をうっかり落としてしまったのだという。彼女に両腕がないのだと後から知った。そりゃあ、落としても仕方がないな…。しかし、彼女自身が落ちなくてよかった。その場合、彼女は咄嗟に縁も梯子も何も掴めないのだから。こわいこわい。

クリソベリルは、所々に優しい性根が伺えた。すぐにノリよく乗ってくれて（世界征服だとか芸人の事だとか）、まるで穴の空いた麦袋のような娘だった。麦（本音）がすごい勢いで吹き出してるんだもの。その後も、図書館に纏わる七不思議の本についてのノンフィクション本の執筆――なんてものにも挑戦したりして。存外騒がしかったらしく司書に怒られてしまったけれど、あの時間だけは年が若くなったように感じたのだから、実に不思議だ。

その名残なのか何なのか…こんなものが頭にこびり付いて離れないので記しておく。

【俺が思いつく限りの彼女の肩書き】
優秀な牧羊犬。
ツッコミの超一流女芸人。
蝙蝠の有能なブリーダー。（蝙蝠に芸を仕込むだなんてただものじゃあないだろう。）